事業期間:2016年度〜2020年度

2019年3月21日 (木) │ ボイス学生インタビュー:見出し:深い議論を重ねて、本当に良いものを作る過程を学ぶ〜ビジネスシステムデザイン分野〜

与那嶺 東 さん 琉球大学 工学部情報工学科3年
中田 裕貴 さん 公立はこだて未来大学 システム情報科学部情報アーキテクチャ学科高度ICTコース3年
高橋 直樹 さん 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科3年
内田 奈緒 さん 愛媛大学 工学部情報工学科3年

-大学を選んだ理由、今後の進路について

与那嶺さん:プログラミングが面白そうだな、という単純な動機で専攻を決めました。そこで学ぶことが、その後の仕事に直接影響しそうという点も専攻の理由です。今後の進路は、IT関連の仕事でインフラに近いセキュリティ分野か、またはチームで開発することをやっている会社に就職したいと思っています。就職活動は、説明会に行きはじめたところです。これから就職活動を増やしていきたいと思っています。
中田さん:中高の頃からプログラミングをしていました。大学を選んだ理由はやはりコンピュータサイエンスを学びたかったからです。 公立はこだて未来大は「PBL( Project Based Learning)」が盛んで、チーム開発など実践的なことを学べます。今後は大学院に進学する予定です。
高橋さん:親がソフトウェア関係の仕事に従事しており憧れがあったこと、また実家から大学が近かったのでこの専攻を選びました。今後の進路は、プログラム開発やIT関係の仕事にと思っていたのですが、今回enPiTを受講してプロジェクトマネジャーの仕事にも興味を持ちました。就職活動については説明会・インターンなどに参加しています。
内田さん:高校生の時に東京駅のプロジェクションマッピングをテレビで見て感銘を受けたことです。こんな感じのものを作りたいと思いました。また、情報化が進む中でそれを仕事としてやっていくことで社会貢献をしたいと思ったからです。進路は未定ですが、就職するなら企画開発からテストなどの流れを全て経験できるところを選びたいと思っています。今後、合同説明会などに参加しながら考えていく予定です。

-受講コースについて教えてください

与那嶺さん:「NAMI LOG」というサービスを開発しました。これは位置情報と波情報を記録し、限定された他人と情報を共有するサービスです。ターゲットはサーファーです。開発は5人で行いました。しかし期間中に仕様を2回変更するなど、試行錯誤がありました。でも、この変更で却ってやることが明確になり良かったです。
中田さん:与えられたテーマは「ビーコンIoTで、函館の街をハックする」でした。「ビーコン」と言う位置情報サービスを使い、函館の街をより良くし、新たな価値創造を開発することが目的です。メンバーは全15人で、3-4人のチームに分かれて開発を行いました。
高橋さん:私たちは年間を通しての履修で、内容は3つのプロセスに分かれています。1番目は牧場でフィールドワークにより問題を発見して提案する、2番目は夏休みに地元企業とタイアップして企業の人に教えてもらいながら、プログラム開発を体験する、3番目は自分たちで課題を見つけて解決するというものです。私たちはヒートマップを用いた可視化アプリの開発をしました。
内田さん:私はシステムデザインというコースを受講しました。3年後期にシステムの開発を行うものです。具体的にはVRシステムを利用し、愛媛県松山市の観光地(二の丸史跡庭園、松山城、道後温泉)をピックアップし、それぞれの場所で360度カメラで撮影した写真をUnityに落とし込みます。VRを使って町並みを体験できるものをモチーフにして作成しました。チームメンバーは4人です。

-どこで知ったか

与那嶺さん:先輩のユーザレビューに自分が参加してこのコースの存在を知りました。
中田さん:専攻で必修でしたし、先生からの紹介もあり受講しました。
高橋さん:「enPiTは絶対とったほうがいい」と研究室の先生の助言を受けて受講しました。
内田さん:学科の必修科目としてenPiT BizSysDがありました。

-受講前に期待していたこと

与那嶺さん:チームで考えたことを形にしていくことがどんなことだろうと期待しました。
中田さん:チームで何かを作ることを期待していましたが、それ以上に課題を探して解決するとか、本当にユーザが必要としているものは何かを考えるといったスキルが身につくのではないか、ということを期待しました。
内田さん:このコースを受講する前に、授業でチーム開発を2回くらいやったことがありましたが、それよりも難しいチーム開発の経験を積むことができるのではという期待がありました。

-受講前に不安だったこと

高橋さん:研究室の人からいろんなことを言われて(笑)不安の方が大きかったです。また、自発的に問題を見つけて解決へと持っていくことは初めてだったので不安が大きかったです。

-受講中楽しかったこと

与那嶺さん:タスクが割り当てられたときに気分が重くなったのですが、最終的にやり遂げたという達成感を得られました。自分の作ったものがサービスの一部で取り入れられていたことを見て嬉しかったです。
中田さん:自分たちはビーコンを使うこと以外は特に決まりはなかったので、フィールドワークをして、課題を探すプロセスが楽しかったです。アイデアを全部で256個出し、アイデア出しには時間をかけました。その中からどれがいいかを選ぶ作業が楽しかったです。
みんなサービスに愛着をもっていて「これってユーザのためになるのか」といった議論も喧嘩寸前になるまで行なったこともありました。でも最終的にはとても良い経験となりました。また狭い部屋でやったので、ある意味ベンチャー的な雰囲気を楽しめました。
高橋さん:私たちは実装はしたものの、ユーザに利用してもらえなかったのが残念です。制作中に行き詰まることもありましたが、先生や先輩が背中を押してくれたので期待を感じうれしく思いました。
内田さん:2つあります。1つめは作ろうと思っていたものがうまく動いた時です。2つめは与えられたテーマに対して、何をすべきかが自分達に任されていたので、地元松山の魅力を伝えるため、自分が住んでいる土地のことを深く考えることができたことです。

-受講後に満足に感じたこと

与那嶺さん:何度もやり直しが発生し時間不足でしたが、必要な機能だけに絞って実装できたことに満足しています。
中田さん:メンバーに恵まれ楽しくできました。開発中に技術的なこともちゃんとやるということを決めて進めていくことができ、また学生だからといって妥協しなかった点に満足しています。
高橋さん:企画から開発まで対応できたことや企業の現場ではどうなのかを聞くことができて満足です。例えばスマ―トフォンアプリケーションの基盤を企業の方が持ってきてくれて、これはこういう意味だよというような実践的なことを教えてくれました。
内田さん:満足した点は、初め企画で考えていた内容が期限までに成果物を作成できた点です。もう一つは制作で行き詰まった際に先生に質問したら、対策案を一緒に考えてくれたり案を提示してくれたり、「これは難しそうだから他の路線でやってみよう」と助けていただけたところです。

-受講後に不満に感じたこと

与那嶺さん:改善点として自分たちがターゲットについて知識がなく、もっと詳しく知って開発にあたればよかったと感じたところです。
中田さん:enPiTはいろんな大学と連携することがメリットだと思いますので、もう少しコミュニケーションの機会、例えば進行途中のプロダクトを定期的にお互いに評価し合うといった交流が欲しかったです。
高橋さん:自分はプレゼンが苦手だったので、中間発表があれば練習できる機会が増えて良いのではないかと思っています。

-自己評価

与那嶺さん:60点です。私がチームのミーティングであまり発言できなかったことと、コーディングも十分にはできなかったことが減点です。しかし,チームメンバーに相談したり,TAの方に相談することで問題の解決ができたことは良かったです。
中田さん:80点です。メンバーに恵まれたといいましたが、最初からそうだったかというとそうではなく最初は僕が全部背負って精神的にきつい状況でした。でも後半ではリーダの自分がタスクを与えたわけでもないのに、やれる人が自主的に行動してくれるようになりました。それには本当に助けられました。
高橋さん:50点です。最終的に作りたいものを実現できなかったので。当初の目標はもっと高かったのですが。実際にできあがった成果物と当初の目標を比較すると50点です。
内田さん:85点です。当初実現したかった機能で、うまく行かず断念したものがあったので、これがマイナス分です。

- 役立つと思えた点は

与那嶺さん:チームで仕事をする点です。サボると相手に迷惑がかかるということを強く感じました。「やることに対する危機感」ですね。チームワークの重要さを知りました。
中田さん:課題を探すという行動です。「何が課題なんだろう」などを自問しながら1年かけて模索してきたことは将来役に立つと思いました。
高橋さん:3人という小さいチームで開発したので少人数でのチームワークに役立つかなと思っています。就活限定ですが、きちんとした発表もできたので、面接に活かしたり、履歴書に書けるのは良かったと思います。
内田さん:スケジュール管理です。時間が足りない中でスケジュールを全員で共有しながら管理するという経験は大きいと思います。

- おすすめしたい人

与那嶺さん:大学在学中に形あるものを作り、自信をつけたい人におすすめです。
中田さん:「ものを作る」ことももちろんですが「複数人で何かいいものを作りたい」という人におすすめです。
高橋さん:企画からすべてを自分たちで行えるといった、就職後に必須のスキルですので、後輩には是非受けて欲しいと思います。
内田さん:1点目はチーム開発に興味がある人。少人数でチームとなってものを作り上げていく過程を学ぶことができるのでおすすめできます。2点目は制作を通して付加価値のつけかたや、他チームの進捗状況が自分たちの制作に役に立つというのがおすすめです。

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与那嶺 東 さん 琉球大学工学部情報工学科3年


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中田 裕貴 さん 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科高度  ICTコース3年


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高橋 直樹 さん 岩手県立大学ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科3年


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内田 奈緒 さん 愛媛大学工学部情報工学科3年


(取材日:2019年2月)