事業期間:2012年度〜2016年度

Security セキュリティ分野

5連携大学が中核となり活動を推進

セキュリティ分野の実施体制

5連携大学が中心となり、特長ある多彩な実践セキュリティ演習とその基礎力と応用力を高める科目からなる実践セキュリティ人材育成コース(SecCapコース)を用意しています。SecCapコースの科目や演習については、我が国のセキュリティ関連事業をリードする連携企業と共同で演習教材を開発し、実際の講義や演習指導にも講師として参画いただくことにより、産業界や社会生活の現場で求められる実践セキュリティ人材育成が可能なものになっています。また、学生のインターンシップの受け入れについても支援いただいています。

連携企業、参加大学と共同の実施体制
連携企業、参加大学と共同の実施体制

連携大学と参加大学

SecCapコースに向けて、2012年度から5連携大学間での単位互換協定を締結しています。これにより、SecCapコースとして5連携大学が分担して開講する基礎知識学習、実践演習、応用学習の講義と演習を、相互に履修できる体制としました。特に、コース認定の必修講義である共通科目は、奈良先端科学技術大学院大学と情報セキュリティ大学院大学および北陸先端科学技術大学院大学で開講し、それぞれ遠隔講義システムにて配信しています。他連携大学および参加大学の学生は、他科目の履修状況に合わせて選択して受講できます。
参加大学については、各連携大学がホスト役となり、SecCapコースを参加大学の学生に提供する体制としました。ホスト役の連携大学は、適宜、参加大学と(既存または新規の)単位互換協定などを結び、参加大学の学生がSecCapコースの(一部の)講義や演習を受講できるようにするとともに、参加大学の学生の履修管理やコース認定について支援しました。
2014年度から、大学院研究科だけでなく、大学の学部および高等専門学校・専門学校を受け入れ、SecCapコースの(一部の)講義や演習を提供しており、大学院の単位取得をベースとするSecCapコースの修了認定に加え、学部や高等専門学校・専門学校からの聴講生を対象とした修了認定(Associate SecCap認定)を設けるなど、意欲ある学生の受け入れ体制を整えています。
2016年度は新たに参加大学1校が加わり、参加大学は計20校、高等専門学校・専門学校は計3校となり、さらに幅広い人材育成の推進に取り組んでいます。

セキュリティ分野運営委員会

5連携大学の担当教員とスタッフによるセキュリティ分野運営委員会を構成し、SecCapコースの基本設計、コースの修了認定の考え方のとりまとめ、および単位互換協定に基づく学生の相互受講の履修管理を行います。

セキュリティ分野の有識者会議(アドバイザー委員会)

セキュリティ分野の人材育成の進め方についてアドバイスをいただくための有識者会議を設置した。委員は次の6名の方です。
近澤武(三菱電機株式会社)
富永哲欣(日本電信電話株式会社)
江崎浩(東京大学 大学院情報理工学系研究科)
花田経子(岡崎女子大学子ども教育学部)
下村正洋(特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会)
田中俊昭(株式会社KDDI総合研究所)

2016年度も、多数のセキュリティ実践演習をアドバイザー委員に視察いただき、進め方などについて具体的なアドバイスや貴重なコメントをいただきました。

東北大学の実施体制

東北大学では、ハイブリッド人材育成への先行取り組みとして、東北学院大学工学部、宮城大学、東北工業大学、仙台高等専門学校、秋田県立大学、東北福祉大学の計6校が参加大学・校として、本SecCapコースに参加しています。今年度は山形大学からも聴講生を受け入れました。
「ハードウェアセキュリティ演習」は、今年度は情報セキュリティ大学院大学、慶應義塾大学の学生に対しても提供。さらに、2017年度以降も、実践的なセキュリティ演習を継続させるため、「ネットワークセキュリティ実践」(PBL演習)とこれを受講するために必要となる基礎知識を習得するための座学を組み合わせた「インターネットセキュリティ」を開講し、本学のみで実施可能なカリキュラムに刷新しました。また、これらの本学開講の演習を次年度以降も円滑に継続および他大学へ展開するため、関連教員にFDを実施しました。

奈良先端科学技術大学院大学の実施体制

奈良先端科学技術大学院大学では、岡山大学が2016年度より参加大学としてSecCapコースに参加した。また、昨年度に引き続き東北大学からエクスポートした「ハードウェアセキュリティ演習」を本学の演習の一つとして実施しました。
SecCapコースの講義と演習については、コースの共通必修科目である基礎知識学習の講義「情報セキュリティ運用リテラシーⅠ、Ⅱ」を他連携大学や参加大学に提供するとともに、演習の一部(情報セキュリティPBL演習A、B、G)を大阪大学と共同で実施。これら演習は慶應義塾大学・九州産業大学・東北大学でも実施され、成果発表会には複数拠点が各会場から遠隔会議システムで参加し、相互に意見交換を行いました。
奈良先端科学技術大学院大学が連携する企業は、一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)、NTTコミュニケーションズ株式会社、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)、SCSK株式会社、特定非営利活動法人 情報セキュリティ研究所です。連携企業には演習の実施へのご協力をいただいています。

北陸先端科学技術大学院大学の実施体制

北陸先端科学技術大学院大学では、情報セキュリティの理論と応用の両面から、情報セキュリティ技術の本質を理解する人材を育成することに焦点をあてています。2013年度から開講している座学講義である「最新情報セキュリティ理論と応用」および短期集中合宿型の演習「情報セキュリティ演習」と、2014年度から開講しているSecCapコースの共通必修科目である基礎知識学習の講義「情報セキュリティ運用リテラシー」を実施し、暗号理論からネットワークセキュリティまでの幅広い内容について、数理の理解や実装・実験を通じて体系的な知識・技術の修得を目指しました。
参加大学の大阪大学大学院から、新たに工学研究科が参加し、昨年までの参加大学である福井大学、金沢工業大学および石川工業高等専門学校と合わせて充実した北陸からの参加大学体制となっています。2016年度は、大阪大学大学院工学研究科5名および石川工業高等専門学校7名(本科生)を受け入れました。
なお、協力いただいている企業は、インテル株式会社およびトレンドマイクロ株式会社であり、近年の技術動向を踏まえ、実用的な情報セキュリティ技術を取り入れた教材の開発に向けてのアドバイスをいただいています。

慶應義塾大学の実施体制

慶應義塾大学では、セキュリティに関する基本的な知識と応用力の獲得を目指す「情報セキュリティ技術特論」を開講し、13拠点に配信するとともに、アーカイブし、オンデマンド受講を可能としています。演習に関しては、奈良先端科学技術大学院大学、一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)、NTTコミュニケーションズ株式会社と連携し、リスクマネジメント演習の一部としてマルウェア解析技術の習得に関する演習、非情報系学生を対象とした基礎演習を実施しました。また、奈良先端科学技術大学院大学・大阪大学が中心となって開発した演習を慶應義塾大学へエクスポート(移転)し、慶應義塾大学で同演習を実施。移転した演習は遠隔かつ多地点でも実施可能な演習システムへ改良し、九州産業大学および東北大学でも同時開講しました。さらに、新たな総合演習としてインシデントハンドリング演習を開発し、2016年度から実施しました。
また、連携企業などの協力のもと、本コース修了生を対象としたセキュリティ人材キャリアパスに関する情報交換会を実施。情報セキュリティ実践力を有する学生を積極的に生み出すと同時に、それを受け入れ活用する社会基盤の実現を目指す枠組みを構築しました。

情報セキュリティ大学院大学の実施体制

情報セキュリティ大学院大学では、主に、首都圏にある参加大学のハブとして、必修科目や演習の他、既設の講義についても他連携大学や単位互換協定などを締結している参加大学に提供しています。2016年度は、連携大学では慶應義塾大学および東北大学、参加大学からは、東京大学、中央大学、早稲田大学、東京電機大学、津田塾大学、お茶の水女子大学の学生が本学の講義・演習を受講。また、今年度も情報科学専門学校より一部受講生を受け入れました。
SecCapコースの共通必修科目である基礎知識学習の講義「情報セキュリティ運用リテラシー」については、他大学からの履修を考慮して前期と後期の土曜日に開講しました。また、分野横断的に、多くの学生が受講しやすくするため、講義をビデオ録画し、オンデマンドで講義を受講できるようにしました。
夏季に開講した集中型の実践セキュリティ演習では、技術系の実践演習4モジュール、社会科学系の実践演習3モジュール(各1単位相当・約22時間)を実施。演習内容・演習教材については、これまでに実施した際の実施状況、受講生アンケートおよびアドバイザー委員などの意見を反映して、充実を図ってきました。
日本電信電話株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、NTTアドバンステクノロジ株式会社、ネットワンシステムズ株式会社、ヤフー株式会社に連携企業として参画いただき、夏季に開講する集中型の実践セキュリティ演習(ネットワークセキュリティ技術演習、Webアプリケーション検査と脆弱性対策演習、デジタルフォレンジック演習)と、後期開講の先進科目(応用学習)である先進ネットワークセキュリティ技術の実践的な教材開発や演習指導、企業見学などに協力いただきました。