事業期間:2016年度〜2020年度

分野を越えた実践教育

分野横断講義

分野を越えた実践教育として、教務WGで企画し実施した「分野横断講義」としては、次の2種類があります。

[A]分野によらず必要な汎用的内容の講義
[B]各分野の特任教員によって提供される特色ある講義

2013年度は、[A]を2種類(3講義)、[B]を1種類(1講義)、2014年度は、[A]を3種類(4講義)、[B]を4種類(7講義)、2015年度は、[A]を4種類(5講義)、[B]を6種類(7講義)実施した。本年度は、[A]を4種類(5講義)、[B]を3種類(3講義)とやや実施数が減少しました。 クラウドコンピューティング分野とビジネスアプリケーション分野がテレビ会議システムを用いて共同で分散PBLを実施するなどの取り組みも2014年度、2015年度に引き続き行われた。本年度の実施状況の概要は下表の通りです。

2016分野横断講義概要

[A]分野によらず必要な汎用的内容の講義
a1)組込みシステム分野からクラウドコンピューティング分野に提供

ファシリテーションスキル
講師:毛利幸雄(九州大学)
概要:ファシリテーションの考え方を、座学と個人・グループ演習を通して学びます。また、議論を活性化し結論を引き出す際に必要となるコンセンサス(総体的合意)を導くスキルを、演習を通して体験しながら学びます。会議の効率化だけでなく組織・企業変革にも役立つ、ファシリテータの役割と重要性についての認識を深め、チームの相乗効果を発揮させ生産性を向上するための具体的なスキルやツールを習得します。
実施日時:平成28年4月22日 10:00〜19:00
実施場所:大阪大学中之島センター佐治敬三メモリアルホール
参加学生:42名(所属内訳:大阪大学9名、神戸大学5名、奈良先端科学技術大学院大学8名、和歌山大学6名、京都産業大学6名、大阪工業大学2名、兵庫県立大学2名、高知工科大学2名、甲南大学1名、立命館大学1名)

(a1')組込みシステム分野からビジネスアプリケーション分野に提供

ファシリテーションスキル
講師:毛利幸雄(九州大学)
概要:(a1)と同じ
実施日時:2016年8月19日 9:00〜18:10
実施場所:公立はこだて未来大学本棟エレクトロニクス工房
参加学生:40名(所属内訳:公立はこだて未来大学24名、会津大学6名、室蘭工業大学8名、岩手県立大学2名)

(a2)組込みシステム分野からビジネスアプリケーション分野に提供

ソフトウェア開発のためのドキュメンテーション入門
講師:塩谷敦子(合同会社イオタクラフト)
概要:ソフトウェア開発における開発文書作り(ドキュメンテーション)の重要性と、その基礎技術を学びます。開発文書はどう書くべきか、という基本的な捉え方とドキュメンテーションの役割を学習し、情報を正確に分かりやすく伝達するための文書の書き方の基礎技術を学びます。
実施日時:2016年8月19日 11:00〜12:15
実施場所:筑波大学システム情報工学研究科3A202教室
参加学生:92名(所属内訳:筑波大学49名、山口大学6名、愛媛大学6名、茨城大学6名、早稲田大学8名、お茶の水女子大学4名、埼玉大学4名、富山大学3名、九州工業大学2名、宮崎大学1名、広島大学1名、千葉大学1名、東京理科大学1名)

(a3)クラウドコンピューティング分野からビジネスアプリケーション分野に提供

プレゼンテーションスキル
講師:増本登志彦(株式会社 日立インフォメーションアカデミー)
概要:本講義では、プレゼンテーションをちょっとした説明資料の作成と捉えて、身近なものとして考えます。グループでのミニ演習が中心となる講義のため、仲間の考え方も聞くことで参考になります。
実施日時:2016年8月23日 9:30〜10:15
実施場所:筑波大学システム情報工学研究科SB0112教室
参加学生:92名(所属内訳:筑波大学49名、山口大学6名、愛媛大学6名、茨城大学6名、早稲田大学8名、お茶の水女子大学4名、埼玉大学4名、富山大学3名、九州工業大学2名、宮崎大学1名、広島大学1名、千葉大学1名、東京理科大学1名)

(a4)ビジネスアプリケーション分野からセキュリティ分野に提供

ICT分野の研究開発におけるロジカルシンキングとロジカルライティングの活用
講師:高橋慈子(株式会社ハーティネス)
概要:研究開発のテーマの設定、要件定義の作成を行うには、情報を整理し、ロジカルに全体を構築することが重要になります。そうした思考方法のひとつとしてロジカルシンキングが活用できます。本講義では、ロジカルシンキングの手法、考え方を理解し、情報整理やロジックの作成などの演習を通して実践。また、技術文書作成へ進める際に求められる、正確さ、わかりやすさを実現するために、ロジカルシンキングからロジカルライティングに落とし込んでいく方法も取り上げます。
実施日時:2016年12月15日 14:40〜16:10、16:20〜17:50
実施場所:東北大学情報科学研究科6階小会議室より遠隔講義システムで配信
参加学生:15名(所属内訳:東北大学:9名、情報セキュリティ大学院大学5名(配信先)、慶應義塾大学1名(配信先))

[B]各分野の特任教員によって提供される特色ある講義
(b1)ビジネスアプリケーション分野からクラウドコンピューティング分野に提供

アジャイルソフトウェア開発
講師:永瀬美穂(産業技術大学院大学)
概要:ソフトウェア開発の柔軟化、変化する要求に対応しながら、ビジネスに柔軟に沿うことで価値を生み出す、アジャイルなソフトウェア開発の手法が脚光を浴びています。アジャイルソフトウェア開発手法のひとつであるスクラムを中心に、アジャリティの高いソフトウェアの開発を行うためのモダンなチーム開発についての基礎知識を習得します。
実施日時:2016年5月23日 10:30〜12:00、13:00〜14:30
実施場所:九州工業大学 情報工学部未来型インタラクティブ教室(MILAiS)
参加学生:15名(所属内訳:九州工業大学13名、九州産業大学2名)

(b2)セキュリティ分野からビジネスアプリケーション分野に提供

最新情報セキュリティ理論と応用システム編〜公開鍵認証基盤〜
講師:布田裕一(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:暗号メール、VPN、Webブラウザなどで使用するSSLを例に、公開鍵認証基盤(PKI)について解説。具体的には、公開鍵認証基盤の必要性や利用場面、認証局システムや証明書発行/管理について解説し、さらに、公開鍵認証基盤の攻撃事例として、認証局への攻撃(DigiNotar)、SSLの実装に対する攻撃(Heartbleed)やそれらに関連した話題を紹介します。
実施日時:2016年8月29日 13:30〜14:55
実施場所:筑波大学システム情報工学研究科SB0112教室
参加学生:60名(所属内訳:筑波大学35名、愛媛大学6名、茨城大学5名、早稲田大学2名、お茶の水女子大学4名、富山大学3名、九州工業大学2名、宮崎大学1名、千葉大学1名、東京理科大学1名)

(b3)ビジネスアプリケーション分野から組込みシステム分野に提供

ロボットのためのインタフェースとしての触覚
講師:嵯峨智(筑波大学)
概要:ロボットのためのインタフェースとして、触覚を題材に取りあげ、触覚に関する特性など触覚インタフェースについての概論を示しつつ、近年の触覚研究の最新動向を概観し、今後必要とされる技術、触覚インタフェースの双方向性について基本概念を詳細に学習します。
実施日時:2016年11月28日 13:00〜14:00
実施場所:九州大学伊都キャンパスウエスト2号館506教室(遠隔講義)
参加学生:九州大学15名

その他の取り組み

教務WGで企画し、実施した「分野横断講義」以外にも、連携大学やWGが企画し、実施した取り組みもあります。こうした活動を通じ、特定の分野、WG、大学に限らない連携が達成されています。ここでは、代表例として次の3つの取り組みを紹介します。

[A]アジャイル研修(インド)
[B]イノベーターワークショップ
[C]FD合宿
 
[A]アジャイル研修(インド)

2014年度に、高度な情報開発技術を習得することを目的としたFDの一貫として、小林克志(東京大学)、嵯峨智(筑波大学)、渡辺知恵美(筑波大学)と各大学学生2名が株式会社エヌ・ティ・ティ・データ主催Global Agile Experienceトレーニングに参加。トレーニングは2015年1月14日、1月21日〜23日の日本での研修と、1月24日〜2月28日のインドでの研修でした。

本トレーニングに参加することで、ミーティングにおける問題の共有、短いタイムボックスによる問題と解決策の議論と早いチームへのフィードバック、未知の知識に関し、担当者からのセッションによる情報共有、振り返りによる問題の明確化と改善、対等な立場としての各メンバーからの自発的な提案とさまざまな議論と解決策の提示など、Scrum自体に開発者として参加し、Scrumチームが成長していく過程、自己組織化していく様子をチームメンバーとして内側から主体的に考え、変えてゆくことを体感したことにより、参加者はスクラム開発手法の教育者認定を得るレベルに達することができました。
また、本研修で得られた知見のフィードバックも行いました。具体的には、クラウドコンピューティング分野の東京大学におけるPBLで、リポジトリ管理、課題管理といったアジャイル手法で広く用いられているツールの利用を必須としたうえで、ソフトウェア開発ベストプラクティス(ウォーターフォール、スクラム、エクストリーム)のいずれかでの開発を課しました。

[B]イノベーターワークショップ

2014年度、2015年度にはハイブリッド人材育成のために文理融合企画として、慶應義塾大学を中心にイノベーターワークショップを実施。本ワークショップでは、異なるバックグラウンドの人材でチームを組み、多様なサービス現場で実際にどういう現象が起きているのかを学生自らが学ぶことで、よりリアルなサービス設計と技術の融合を目指しました。
具体的にはチームビルティング、哲学とビジョンの設定、それに基づく調査分析、ブレーンストーミング、コンセプト立案、制作などを実施しました。
合宿では会場で議論すべき内容を決定するオープン・スペース・テクノロジーの手法をとり、テーマを参加者にとって優先度の高いものに絞り込むことで効率的な議論を進めることができました。2回目の合宿で参加者アンケートを取ったところ、参加者の満足度は高いものとなりました。

[C]FD合宿

2016年度には、教員のPBL教授法についての研鑽を深めることを目的に、合宿を2回実施しました。
合宿では会場で議論すべき内容を決定するオープン・スペース・テクノロジーの手法をとり、テーマを参加者にとって優先度の高いものに絞り込むことで効率的な議論を進めることができました。2回目の合宿で参加者アンケートを取ったところ、参加者の満足度は高いものとなりました。

enPiT FD合宿
日時:2016年6月7日〜8日
場所:滋賀県立県民交流センター
参加者:15名
enPiT1/enPiT2 FD合宿
日時:2016年12月26日〜27日
場所:沖縄県青年会館
参加者:23名